新年の初仕事は。

正月にちゃんとお休みをして、一度リセットされる年初め。

桜井フルートでは、いつも年初めにする仕事があります。

それは、「先人たちの制作した楽器の修復・再生」です。
いわゆるヴィンテージ楽器やオールド楽器といわれる作品です。

今回手がけたフルートは、「ヘインズフルート」。
※以前ブログでも書かせていただきました。

本年度の新作制作を進める前に、今一度立ち止って色々な事を確かめます。

オールド楽器の再生でもっとも大事な事は、
楽器の「本質を見極める事」だとブログに書きました。

では、具体的に「見極める」とはどういった事でしょうか。

コンセプトや想いという思想的なところはもちろんですが、
技術的なところをいかに見抜く事が出来るかが大切です。

まず大前提として、
オリジナルの状態を残し再生する事を最優先にします。

・歌口には手を入れない。
・頭部管を切ったりしない。
・磨きは機械磨きはせず、手磨き。大きなキズはそのまま残す。
・タンポ(パッド)はカップのサイズに合わせてすべて自作する。
・スプリングの減衰が見られる場合は、交換。オリジナルは切断せずに保存。
・設計上のカップの開きにする。
・管体に絡む修理が必要な場合は、最要注意。基本は、火を与えない。
(ちょっと専門的な言葉が多くなってしまいました・・・)

他にも細かいところはありますが、最重要な事は、
自分勝手な修理をせず、時間を経てエージングされた楽器の状態を残し、
さらにはメーカーの基本を守る事です。

基本を守り修復を進めていくと、考えられた楽器からは沢山の事を学べます。

自分達の楽器と、どこがが違うのか。それが、どのような効果を生んでいるのか。

先輩達が制作した楽器たちに触れ、学び、刺激を受ける事で、
今年度の新作制作にも良い影響があると私たちは想っています。

桜井フルート制作所
桜井秀峰

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