Monthly Archives: August 2011

サイトウキネンフェスティバル松本。

行ってきました、サイトウキネンフェスティバル松本。 映像や録音では聴いていますが、初めての生鑑賞です。 一気に夏が終わったの?と感じさせられた21日。 寒気の中、片道4時間ちょっとのロングドライブ。 霧でまったく見えなかった富士山の裾野をひた走り、 朝のドラマ「おひさま」の舞台でもある松本市へ到着。 鑑賞する演目は、 ベーラ・バルトーク作曲 ○バレエ「中国の不思議な役人」指揮:沼尻竜典 ○オペラ「青ひげ公の城」指揮:小澤征爾 出演: 青ひげ公:マティアス・ゲルネ(青ひげ公の城) ユディット:エレーナ・ツィトコーワ(青ひげ公の城) Noism1 井関佐和子、宮河愛一郎、藤井泉、櫛田祥光、中川賢、青木枝美、 真下恵、藤澤拓也、計見葵、宮原由紀夫、亀井彩加、角田レオナルド仁 Noism2 演奏はもちろん、 サイトウキネンオーケストラ(SKO)。 そして! 演出/振付は、 金森穣!!! 空間:田根剛、 リナ・ゴットメ、ダン・ドレル(DGT) 衣裳:中嶋佑一(artburt) 照明:伊藤雅一(株式会社 流)/ 金森穣 今回で20回目となるサイトウキネンフェスティバル松本は、 病気療養されていた総監督小澤征爾さんの完全復活という事もあり、 観客のみならず、全世界が注目しています。 私たち家族も特別な想いを抱いて松本へ赴きました。 私の妻は結婚する前までダンスを生業としていたのですが、 今回出演するNoismには2004年の創立メンバーとして参加しており、 演出の金森穣さんとマエストロ小澤征爾さんの競演を見ないわけにはいきません。 そして、私のもう一つの楽しみ。 SKOのフルート奏者、セバスチャン・ジャコー氏(Sebastian Jacot)。 知った仲ではありませんが、 私たちの木管製フルートを吹く奏者から、 … Continue reading

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未来を想いながら

先人の仕事を目の当たりにした時、 いかに自分がまだまだ甘ちゃんで足元にも及ばないかを痛感します。 先日お越しいただいた奏者が持って来られた、1920年頃に制作されたフルート。 その名はヘインズフルート。大巨匠J.P.ランパルが生涯使い続けた事でも有名です。 100年近く経っているので各所に摩耗などはあるものの、大きな支障ではありませんでした。 元々の作りがしっかりしていて、楽器の基本設計(形・音色・思想)も確固としています。 今のようなコンピュータ制御の機械などあろうはずもなく、ひたすら手を動かし続け、 さまざまなアイディアを生み出しながら、制作されていたのでしょう。 まさに命がけでフルートを制作していた時代。 これは直せる。そう想った瞬間、 「私はまだ歌いたいんだ!」 そんな言葉を聴いた気がしました。 この楽器を吹いていた奏者が楽器に託した情熱なのでしょうか。 はたまた作り手の命がけな想いなのでしょうか。 摩耗したところの細かい部品は同じ材質、同じデザインで作り直します。 細かいところを直しながら、この楽器の本質を探る事が重要です。 自分勝手に弄る事ではなく、この楽器の本質を見極め、 修理・修復の方向性を決めていきます。 それには、楽器に”本質”が備わっている事が大前提です。 魂の入った楽器であれば、いくら摩耗していても直せます。 というか、直したいという気持ちにさせられます。 それも私たちにとって大切な仕事です。 私たちの制作した楽器たちも、いつかは摩耗していきます。 その時に未来の職人たちが「直したい!」という気持ちになってくれるような、 そんな楽器を作りたいと切に想っています。 桜井秀峰

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