春なのに冬の話。

すっかり春になり、初夏のような陽気も感じられるようになってきました。

この冬をおさらいしておきますと、
オールドフルートのオーバーホールに、新作フルートの制作が続きました。
そして新作フルートの下ごしらえとして、冬に行う最も重要な作業もしました。
それは「木工」です。

私たちは木製フルートも制作しておりますが、製材から管体製作まで自分で行っています。

昔から木の伐採は冬に行うものだとされてきました。
初霜が降りた頃、樹木たちは地中からの水分吸い上げをやめて、冬に備えるそうです。
木の中が水分で満たされてしまったら、真冬に凍ってしまうからだとか。

木も生きているんですね。

また、伐採した木材をより永く持たせる為に「新月切り」と言って、
冬の満月から新月(闇夜)にかけての数日間のみ伐採したのだそうです。
法隆寺に使われている木材たちも「新月切り」された材だという話。

実際に私たちも木製フルートを制作していると、
冬の時期に木工作業をした方が、その後に大きな差が出ると実感しています。

フルートに使われるのは熱帯の木材ですが、違いはありません。

より永く奏で続けられるよう、これからも「冬の木工」を続けていきます。

桜井秀峰

追伸
先日、スイスのバーゼルとイタリアのローマに赴いてきました。
その旅については、後日記します。。。

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