新しいアルバム作り

ランザン・クインテットの皆さんが来られる数時間前、
私は小学、中学の同級生のご実家にお邪魔していました。

同級生のお父様は10年前にお亡くなりになり、
お父様に愛用していただいていたサクライフルートも形見として眠ったままでした。
先日、奥様よりお電話をいただき、

「この楽器を大切に吹いてくれる人の元へ旅立たせたい。形見として眠らせるのは楽器が可哀想だから。」

とのお知らせを聞きお宅へお邪魔した次第です。
それこそ、お父様には小学校から可愛がっていただいてました。
フルート制作を始めた時も激励された事を今でも憶えています。

10年ぶりに再会した愛用のフルート。
フルートは10年眠っていたとは思えないほど状態も良かったので驚いたら、
「主人がとっても大事にしていたので、同じように大事に仕舞っていた」とのこと。

そしてお母様からフルートとは別に渡されたものがありました。
それは、アルバムでした。
このフルートが完成するまでを細かく写真に撮っていたのです。
私も素直に「うわー。すごい!」と声をあげてしまうほど、綺麗な写真たち。
そして、自分のフルートへの愛情。

        

お母様も形見として手元に置いておきたかったのですがご自身もハープを演奏されるので、
楽器は演奏されるためにあるんだと想い旅立たせる決心をしたそうです。

フルートと一緒にアルバムもお預かりする事にいたしました。
新しい次の奏者にも想いを引き継いでいただきたい。
そして、新しい物語を紡いでいってほしいと想っています。

桜井秀峰

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2 Responses to 新しいアルバム作り

  1. 同級生 says:

    ご無沙汰しております、件の同級生です。
    Website,blogがあるよとの話をきき伺いました。
    storyでつづる楽器、読んでいてわくわくしますね。
    父もいろいろなストーリーを抱えていたと思いますが、
    聞いていたほうがあまり真剣に覚えていなかったこと、
    時間が経って美化?されつつあることもありますが。。。
    父がfluteを始めたのはまさしく40からの手習い、
    最初は通勤途中の楽器店で求めた楽器(ヤマハではないどこか)で、
    その楽器店の教室で習っていたと記憶していますが、
    早々に物足りなくなり、最初に教室を変えたのではなかったかと。
    当時小・中学生だった私は、自宅練習を聞きながら育ちました。
    サクライフルートとの出会いのきっかけは私はよく知らないまま
    来ていますが、やはり近所だった(歩いても10分くらい)のが一番の
    要因でしょうか。
    いつの間にか発注し、製作途上にも足しげくかよい
    (本人は一時器釣り竿つくりにのめりこみ、自身の後学のため?製作過程を
     写真化しておりました。フルートのアルバムもその延長だったかと。)
    我が家にその楽器が迎えられました。
    このコメントの本人は高校入学と同時に吹奏楽部でFLUTEを始めましたが、
    ごく初期に父の最初の楽器のおさがりを使っていましたが、
    数か月後には、なぜかサクライの銀のH足になっていました。
    今思えば、まだまだ自分の音も音楽もおぼつかないペーペーに
    よくぞ分けていただいたと恐縮しきりなのですが、
    楽器に育てていただき、現在にいたっています。
    記事にあるとおり、父がつかっていた楽器は10年間お休みしておりました。
    この楽器を私が吹いたことも幾度かありますが、実は自身の楽器とかなり
    違い、当方には合わないと感じておりました。
    楽器はあくまで”楽器”であって鑑賞品ではありませんから、いつ吹かれるか
    わからないまま眠っているよりは、気に入っていただけた演奏家のもとで暮らすのが
    一番と思っております。
    今は夏休み時期で、実際に工房等でこの楽器に触れるかたもいらっしゃるかと
    思います。過去のストーリー、思い入れはそれはそれとして、
    気軽に、でも真摯に向き合っていただける新しい演奏家との出会いを
    願っております。
    末筆ながら、製作所のますますのご発展を祈念しております。

    • shuhou says:

      同級生さま
      お~!ご無沙汰してます!コメントどうもありがとうございます!!
      このような再会が出来たのもHPのお陰ですね。
      お母様からも色々なお話を伺いました。
      親父にとってお父様の存在はかけがえのない友人でした。
      恐らくお父様の専門であった「化学」と、
      親父が大学時代に専攻していた「化学」がリンクしているのでしょう。
      そして、フルート制作における「化学的アドバイス」は今でも活かされています。

      きっと新しいストーリーが待っていると想います。
      どうぞ楽しみにお待ちください。
      その日が来ましたら、またお報せいたします。

      桜井秀峰

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