ランザン・クインテット

先日、桜井家にとって大切な4人の奏者が来訪されました。
家族のようにとっても暖かく、そして熱い方たちです。

後方右より
ツクイ・キヨシさん
エリカ・ヴィルフリンガーさん
遠藤尚子さん
岡崎明義さん

ツクイさん、エリカさんご夫妻はウィーン在住のフルート奏者。
桜井家とは30年来のお付き合いになります。
幸一郎とツクイさんは20歳近く違いますが、
友人でもあり、良き理解者でもあり、時に親子のようであります。
私も幼い時からツクイさんの事は親父から聞いていました。

「あんなに情熱的な奴はいない」


ウィーンから届いたフルートへの想いを綴った手紙(ほんの一部)

幸一郎もそれはそれは熱いですが、ツクイさんも負けていません。
たくさんの”伝説”を残しているツクイさんですが、ウィーン留学のきっかけから伝説的です。

留学先も決まっていないのに、単身ウィーンへ乗り込んだのが1974年。
しかも、シベリア鉄道10日間の旅。でも片道切符。
ウィーンへ乗り込んでから情熱と奇跡的な出会いによって、
ウィーン国立音楽大学への入学を果たしました。
師事したのは当時ウィーンフィル首席奏者でもある巨匠ハンス・レズニチェック教授。
以来40年近くオーストリアにいらっしゃいます。
その40年の間にも幾多の”伝説”がありますが、
残念ながらここでは紹介しきれません。本当にたくさんあるから。
でも、皆さんにもツクイさんの軌跡を知っていただきたいので、
近い将来ツクイさんの自叙伝が出版される日を熱望しています。

熱いツクイさんの側でいつもは冷静に、時にツクイさん以上に情熱的になるエリカさん。
生まれも育ちもオーストリアですが、どこか日本人のような振る舞いや雰囲気。
エリカさんの吹く日本の曲を聴くと、日本人が吹くよりも日本的に感じます。
ランパルさんの春の海を思い出します。

そして、ツクイさんとは40年来の岡崎明義さん。
ツクイさんが来日すれば、一緒に演奏をし、酒を酌み交わし、さらに旧友を深める。
昔も今も良き仲間であり、悪友でもあるのでしょうか。
こんな友がいるお二人をいつも羨ましく見ています。。。

熱い先輩3人の中で、いつも満面の笑みを絶やさない遠藤尚子さん。
岡崎さんのお弟子さんであり、ウィーン国立音楽大学で研鑽を積まれました。
そう、ツクイさんの後輩でもあります。尚子さんもやっぱり熱いです。

こんな素敵な皆さんが2003年に奇跡のクインテットを結成してくださいました。
その名も、「ランザン・クインテット」。←先日、命名。
以前からツクイさんに「桜井さんに恩返しがしたい。嵐山町で演奏会を出来ないか」と言っていただき、
2003年夏に嵐山町役場町民ホールで実現しました。
ツクイさん夫妻とオーストリアの名ピアニスト、アドルフ・ヘンニックさんによる演奏会。
もちろんヘンニックさんとツクイさんも熱い友情で繋がっています。

演奏会のアンコールは、ツクイさん、エリカさん、岡崎さん、遠藤さん、そしてヘンニックさんの五重奏。
しかも!なんと!サクライ木管4本!
曲目はヘンニックさん編曲によるドヴォルザーク作曲「スラブ舞曲」!!

この「ランザン・クインテット」が結成されるまでのいきさつも熱いです。
ヘンニックさんがツクイさんの吹くサクライ木管をとても気に入ってくださり、
この日の演奏会でサクライ木管が4本揃うと聞くと、
すぐさま五線譜を取り出し、4人分の楽譜を書き上げました。
そうして「ランザン・クインテット」が結成されたわけです。
演奏は、今でも語り草になるほど素晴らしく今でも耳と心に響いています。

今年は帰国演奏会の予定はございませんが、
近い将来必ず再結成して欲しいと心から願っております。

桜井秀峰

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